最新ゲー「レジェンドオブドラグーン」感想

以下一切ネタバレなし。

 

辰年ということで新作ゲームをまとめて購入。左から「レジェンドオブドラグーン」「アークザラッド」「ストールンソング」「ドラゴンクエストⅦ」「シスター・プリンセス」。目当てはレジェンドオブドラグーンのみだったが、5つ買うと安くなるということで他に気になっていたアークザラッドを手に取り、他は適当に心眼を光らせて購入した。

この記事ではソニー・コンピュータエンタテインメントの栄えある力作「レジェンドオブドラグーン」について、全クリを目前にした今感想を愚痴混じりに書き殴っていこうと思う。本来は全クリしてから書くつもりだったが、ラスボス戦が2~3時間かかるという巷説を耳にして現在必死にレベリング中のため、執筆欲が冷めないうちにと思い立った。

 

全体評価

難度     ★★★★☆

システム   ★★☆☆☆

ストーリー  ★★★★☆

グラフィック ★★★★☆

サウンド   ★★★☆☆

 

王道ファンタジーRPG。雰囲気はFF8に近く、時折挿し込まれるムービーはかなり出来がいい。ストーリーもわかりやすく世界観も精巧に構築されており、ファンタジーが好きな人は一気にのめり込める作品だと思う。

ただ、システムにかなりクセがあり、特に戦闘中における「アディショナル」システムが厄介。詳しくはシステムの項に後述するが、これがこのゲームの難度をべらぼうに跳ね上げており数多の脱落者を生み出す要因となっている。ハマれば神ゲー、ハマらなければクソゲーを地で行くゲームである。日本ではFFやドラクエに次ぐことはできなかったが、海外ではそれなりのファンを獲得しているらしくYoutubeも海外の方が繁栄している。

個人的には、システムは大いにクソだと思うがそれも含めてやり込みがいがあるというか、デフォルトで制限プレイを遊んでいるようなやり応えを感じるので良ゲーの部類に入る。昨今のヌルゲーに飽き飽きしている人には是非道連れとなってもらいお勧めしたい。

 

システム

・諸悪の根源「アディショナル」

まずこのゲームの最大の特徴として筆頭となるのはやはり「アディショナル」であろう。戦闘内では通常攻撃に位置付けられるが、通常攻撃が一番難しいという重力の崩壊を引き起こしている諸悪の根源である。

攻撃の流れとしては、画面中央に□マークが固定されており、次々にアイコンが画面外枠から中央に向かって集束してくる(飛んでくると言った方がいいか)ので、アイコンが□マークにぴったり重なるところでタイミング良く〇ボタンを押す。タイミング良くボタンを押すごとにキャラが攻撃していき、最後まで成功すると技名をかっこよく言い放って終了、が一連。途中で失敗すると技も強制終了となり、威力も下がってしまう。この攻撃を終えてから技名を言い放つ流れが個人的にツボであり、筆者のお気に入りは「フッ! ハッ! 死ね。モァアンドモァ」である。

最初は簡単なアディショナルしかないが、キャラのレベルが上がるごとに新しいものを覚えていき、最初は1回で足りた入力も最終的には7回ほど必要となるものもある。もちろんキャラクターごとに覚えるアディショナルは全く異なり、入力数・タイミングもてんでばらばらである。たかが通常攻撃にリズム感、記憶力、反射神経を必要としてくるゲームは後にも先にもこのゲームだけであろう。

最初のうちはアイコンの速度、適切なタイミングが一切掴めず初級のアディショナルでも手こずっていたが、キャラの動きや掛け声、風切り音など多くの視覚・聴覚情報を頼りに覚えていくことで安定して成功させられるようになった。一度覚えてしまえばこっちのものなので、あとは気を抜くことなくリズム通りにボタンを押していくのみである。

…とはならないのがこのゲームであり。

 

・更なる邪悪「カウンター」

アディショナルの愚痴の続き。なんと、気持ちよくタイミングを合わせている途中で敵が反撃してくることがある。その際は敵が直前に発光し、飛んでくるアイコンも赤色のものから青色に変わり、〇ボタンではなく×ボタンを同様にタイミング良く押す必要がある。発動のヒントもあり一応は反応できるようになっているのだが、あまりにも短い時間の中で差し込まれると反応できるわけねーだろヴォケ!!とコントローラーでテレビごとひっくり返したくなることが多分にある。一時期絶対に反応できるよう、右手指を〇ボタン、左手指を×ボタンに配置して対処しようとしたことがあるが、結局反応できないものはできないし面倒なので現在は諦めている。極めつけは次のアイコンが飛んできているにもかかわらずカウンターの遅延行為が挟まり、次のアイコンを押すのが難しくなるという鬼の所業が待ち受けている(メルの「クールブギ」などがいい例)。これは未だに許せていない。先ほど反射神経が必要と書いたのはこのためである。

 

・戦闘がクソ長ぇ

くっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっそ長い特にボス戦なんか余裕で30分かかる。

ボス自体が強いというのもあるが、魔法演出が軒並み長い。FF7のラスボスが使ってくるスーパーノヴァという技があるが、ああいうのが頻繁に流れてくる。FF7召喚獣ナイツオブラウンドというのがあるが、ああいうのが頻繁に流れてくる。そして、ボスはかなりの確率で2回行動や3回行動をとってくることがあるので、最悪の場合クソ長演出が3回流れてきてワンチャン風呂入れる。

 

・アイテムが32個しか持てない

本作では移動中に回復魔法が使えないので、移動中の回復手段は基本的にアイテム頼りとなる。しかしどういうわけか、本作の主人公たちは消費アイテムを合計で32個しか持つことができない。合計で32個なので、極端な話ヒールポーションを32個持ったらそこで持ち物はいっぱいとなる。もちろん、回復アイテム以外にも攻撃アイテムや補助アイテムが存在するため回復用の所持数はせいぜい10個が精一杯だ。装備品は200個持てるのに、である。なんで斧とか鎧とかめちゃくちゃかさばるやつは200個も持てて小物は32個しか持てないのかと、システム担当者に小一時間ほど問い詰めたくなる案件である。今どきのトートバッグでももっと入るだろ。

そういうわけで回復アイテムを気軽に使うことはできない。回復魔法もかなり癖があり、特定のキャラが戦闘中に、しかも後述する「ドラグーン変身」を経ないと使うことができない。よってアイテムを節約したいときは「ガード」が最も手軽な回復手段となる。このゲームではガードをすることで1ターンの間全てのダメージを半減すると同時に、最大HPの10%分だけ体力を回復することができる。弱い雑魚的を1匹だけ残し、全員でひたすらガードすればノーコストで全快まで立て直すことも可能。クソ時間はかかるが。

また一つだけ擁護するなら、回復アイテムの性能自体はかなりいい。基本のヒールポーションすら最大HPの50%回復なので、あまり持ちすぎてもヌルゲーと化してしまう。そういう点で以上の所持数制限は一万歩譲って最適解なのかもしれない。

 

・ドラグーン変身

これがめちゃくちゃ面白い。ドラグーンに変身すると数ターンの間だけ全体的なステータスが上がり、強力な魔法や「ドラグーンアディショナル」を使うことができ、さらに状態異常攻撃も防ぐことができる。このシステムが戦略に広がりを持たせている。変身には「SP(スピリットポイント)」が必要であり、これはアディショナルを打ち込むことで貯めることができる。100SP貯まるごとに1ターン分の変身が可能となり、最大で500SP、5ターン分継続して変身可能である(ターンが経過すると自動的に変身は解除される)。ただし、最大SPは「ドラグーンレベル」により上がっていき、ドラグーンレベル1だと100SPしか保有することができない。ドラグーンレベルはSPを一定数蓄積させると上げることができ、最大レベルは5となる。

このように結構複雑なシステムではあるのだが、要はSPをいかに手早く貯めるかがこのゲームの鍵といっても過言ではない。アディショナルによっても一度の獲得SPや威力が異なり、SPを取るのかダメージを取るのかで選ぶべきアディショナルが変わったり、どこでドラグーン変身をかまし、どこで変身を解除させるかというような駆け引きも生まれたりする。ドラグーン状態も万能ではなく、ガードやアイテムのコマンドが使えなくなったり、さらにはドラグーン特攻のボスもいたりする。そういったボス戦の前にはわざと保有SPを100だけにしておいて、変身直後に防御魔法やらを使ったら早々と変身解除できるようにするといった戦略もあるのだ。

 

ストーリー

面白い。世界観が精巧に作り込まれているため、ファンタジーが好きな人にはたまらないと思う。未プレイの方には是非道連れやってもらいたいので、ここではネタバレを極力避けながらストーリーをざっくり紹介したい。

この世界の人間は106番目に作られた存在である。なんでもいっちゃん最初に「神木樹」なる生命の生みの親が誕生し、その木からなる実によって沢山の種族が生まれてきたらしい。よくわからないが1番目に魚、2番目に鳥、3番目に虫みたいな感じだろうか。知能の低いものから生まれていき、106番目に生まれたのが人間、その次に生まれたのが光の翼を持つ種族「有翼人」である。

有翼人は人間を超えた知能と魔法の力で人間を下等生物とみなし、支配した。当然人間は有翼人に対し反旗を翻し、105番目の存在・ドラゴンを使役して立ち向かった。「ドラグーンスピリット」によりドラゴンの力を得た人間はドラグーンと呼ばれ、7人のドラグーンが有翼人との戦いを先導し、最終的に人間側の勝利を収めた。有翼人は絶滅し、以降は人間を中心に繁栄することとなった。これが「ドラゴン戦役」と呼ばれる伝説である。

伝説が事実とすれば時は1万1000年。伝説上の存在であるはずだったドラゴンが現世に現れ、暴れ始める。サンドラ帝国とバージル公国の長らくの停戦も打ち破られ、戦争が始まったことも相まってただならぬ予感である。戦争を止め、終わらせる決断をした主人公たちはサンドラ軍の攻勢を食い止めていたが、突如頭上より謎の女性が「飛来」。まさしく竜のような翼を持つ女性の謎の力により主人公の父親の形見が赤く発光し、その姿を仰々しく変貌させる。

ドラグーンの再臨である。

 

不具合

フリーズが多い。自分は幸運なことに3回しか見舞われなかったが、全体的にフリーズが多すぎるとの意見が散見される。

どうやらDisc3が損傷を受けているらしく、魔法演出中に音が途切れ途切れになったり全く音が出なかったりする不具合が多数発生。終盤のボス戦においてメルのレインボーブレサスを使った後、画面がピクともしなくなるという疑似フリーズ現象も発生(画面も音楽も正常に動いてはいるものの、次のターンが回ってこない)。その後リセットをすると今度はソニー・コンピュータエンタテインメントのロゴ画面から進まなくなる。ディスクが完全に逝ってしまったと思われるので、

再び通販サイトで購入。中古なので500円ほど。

しかしどうやらDisc3は不具合が起きやすいらしく、Disc4からDisc3に差し替えた先での隠しボス戦でも同様の疑似フリーズが発生。今度はリセットではなくディスクの入れ直しをしてあげると問題なく動作が復帰した。1代目も入れ直ししてあげれば壊れることはなかったのかもしれない。

(4/25追記。2周目プレイ時に2代目もご臨終となったため3代目を暖かく迎え入れ、我が家には3つのレジェンドオブドラグーンが鎮座している。執念の領域である。)

 

サウンド

戦闘曲が複数あり、中でも通常戦闘曲(雑魚戦)がところどころで変わるのはかなり特徴的だと思う。アトリエシリーズのように敵が少し強めだと変わるとかでもなく、フィールドやダンジョンによって不規則に指定されているようだ(有翼人都市の戦闘曲は例外)。戦闘勝利時のテーマも戦闘曲によって変わって面白い。

ワールドマップの曲はDisc進行によって変わる。人気が高いのはやはりDisc2か。個人的にはDisc3も好み。ダンジョン曲はどれも静かで怪しげな雰囲気。鍾乳洞とヴィルード火山、あと死竜山は部屋で流すだけで絶対にマイナスイオンとか出てるのでおすすめ。メロディアス部門で言うと王城(Royal Castle)、シャーリー神殿が特に人気が高く、自分もかなり好き(サントラにシャーリー神殿入ってないの一種のバグだろ)。あとは王都デニングラードの曲が雪国の曲にしては勇ましくて、仕事帰りのスーパーで流れてて欲しいほどに好きだ。

 

キャラ

最後に主要メンバー一人一人にネタバレしない程度でコメント。

・ダート

主人公。スペシャルからのファイナルバーストが強すぎる。なんか平均的であまり使えないみたいな意見を散見するが、初見プレイの自分からしたら全然メインアタッカーだった。「マッドネス・ヒーロゥ!」の言い方が好き。

・ラヴィッツ

序盤はダートよりもアディショナルのタイミングが掴みやすくてこの人しか勝たんになってたが、次第にアディショナルも難しくなっていき延々とスピニングケインをするおじさんと化した。

・シェ―ナ

ヒロイン。結局全然使わなかった。ボスの攻撃で一撃死するし、アディショナルそもそもないし…。強みの回復もロゼやメルで事足りるし…。2周目では積極的に使っていきたいが。

(4/25追記。2周目では早い段階でドラグーンレベルを最大にし、闇属性のボスに対しての特攻隊長として大いに活躍した。光属性全体攻撃と同時に回復ができる白銀竜が強すぎる。1周目で30分かかってたボス戦も3ターンぐらいで終わった)

・ロゼ

この作品屈指の萌えキャラ。ツンデレ。ヒロイン。主人公。攻撃するたびに死ねと罵声を浴びせてくれる。序盤は強くてアディショナルも簡単なので重宝したが、中盤以降は他の方が強くなってスタメン落ち。

アルバート

唯一の防御魔法持ちなので最終メンバーとして採用。最高アディショナルの桜吹雪も個人的にやりやすくて高威力。ラヴィッツと技を同じくするが動きもアディショナルのタイミングも全く違うので面白い(ラヴィッツは腰を据えた両手持ち、アルバートは素早い身のこなしの片手持ち)。

・ハッシェル

安定して強いが後半のアディショナルが難しくあまり使わなかった。三途の渡が最盛期。幽霊戦で強かったのであの悪夢の往復運動の際はお世話になった。ただ巨人の里で勝手にメンバー抜けしながらボス戦強制参加は正直許していない。

・メル

プリティハンマー装備のクールブギで400SP回復できる、パーキーステップでダメージも出せる、素早さが高い、単体・全体攻撃魔法と回復魔法も揃っているとメンバー入りしない理由がない。晩成型。歩き方が早朝のおばさん。

コンゴール

魔法に弱いのであまり使わなかった。大体敵の情報も知っている2周目なら物理メインのボス戦等で活躍させられそう。ドラグーン変身は一度もしなかった。Youtubeのtierリスト動画でコンゴールがCtierというよりむしろCtierがコンゴールみたいな言われ方してて顎外した。

ミラン

声が低い。ケツがでかめ。DV女。ケツがでかい。